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【連載】高校eスポーツ探訪1~3

【高校eスポーツ探訪1~3】大会やイベントが次々と開催され注目を集めている高校生のeスポーツ活動。部活として立ち上げる学校も増え、じわじわと活性化しつつあります。今後の進路はそれぞれですが、一人ひとりがeスポーツに携わった人として社会に進出することは間違いありません。そんなeスポーツの明日を担う若者の今を追いかけ、明日を占う連載が「高校eスポーツ探訪」です。

●1.千葉学芸高等学校コンピュータ部eスポーツ班

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まず記念すべき第1回は「千葉学芸高等学校コンピュータ部eスポーツ班」です。取材当時(2020年7月)は「STAGE:0」に向けてフォートナイトの練習に励んでいました。大きな特徴ともいえるのが、学校側のeスポーツへの理解の深さ。ゲーミングチェアやキーボード、マウスなど、少しグレードの高いゲーミングデバイスを生徒からの提案に沿って用意しています。さらには、ネットワーク回線も新たに「NURO光」を敷設したとのこと。稀に見る整った環境です。

取材では興味深い話も伺いました。喘息で激しい運動ができなくなった生徒が、eスポーツに活躍の場を見出したそうです。顧問の先生も「ハンディキャップのあるなし、男女を問わずに挑める競技」と期待を寄せていました。その活動について、取材しました。​

●2.日々輝学園高等学校 eスポーツ部

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第2回は「日々輝学園高等学校 eスポーツ部」。2018年秋に立ち上がりました。こだわりは「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」に取り組んでいること。世界で一番有名なLoLを知っておけば、将来グローバルでも役に立つ知識が得られる可能性があるから、だそうです。あくまで生徒たちの自主性に任せてはいるものの、一定のランクになるまでプレーすることをほどほどに義務付け、基礎だけは全員学んでいる状態にしています。

広報活動にも積極的で、独自のYouTubeチャンネルも開設しています。生徒たちも積極的に、自主的に他校のeスポーツ部と連絡を取りながら、練習試合を組むこともあるといいます。目指すは「栃木県でeスポーツと言えば日々輝学園」というブランドを定着させること。どのように実現を目指すのかについて取材しました。

●3.札幌新陽高等学校 eスポーツ研究部

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第3回は「札幌新陽高等学校 eスポーツ研究部」。ゼロから始めて、特別なコーチもおらず、生徒がインターネットで上手な人を探して教えてもらったとのことでした。対戦にあたっては、戦略の立案にもかなり多くの時間を割いています。他校のプレーをさまざまなサイトで調べて分析し、対策を立てていました。

周囲からは、まだまだ「ゲームをしているだけ」と思われがちな点が悩みの種。そうした周囲からの不安を解消するためにも、結果を残す必要があります。ただ、他の部活と同じように本業である勉学をおろそかにするわけにはいかないので、「まず授業をしっかり受け、成績を落とすことのないよう気を付けている」そうです。

●“遊び”と“部活”

今回の取材で共通していたのは、遊びと部活動の違いを高校生自身が実感していることでした。プレーの一つひとつに対する責任感やコミュニケーションの取り方がまったく異なります。特に、自身やチームメイトが失敗した際の対処は重要。その後の士気やチームワークに深く影響するからです。こうした点を踏まえながら試合を観戦すると、一層見ごたえのある対戦になるかもしれませんね。(BCN・南雲亮平)


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