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民生用電気機器の国内出荷金額は年度累計103.0%と伸長 -洗濯機・キッチン家電編-

今回は、生活家電や調理家電、空調機器など民生用電気機器の国内出荷動向についての第3弾をお届け🤲🏻

前回の記事はコチラ↓

1月の洗濯機の出荷金額は過去最高の約321億円

まず、
洗濯機の出荷実績はどうだったのでしょうか。

洗濯機には、3つのタイプがあります。
温風による乾燥機能搭載の洗濯乾燥機と乾燥機能非搭載の全自動洗濯機、そして洗濯槽と脱水槽の2つの槽を持つ二槽式洗濯機です。
 
JEMAでは、このうち洗濯乾燥機の出荷実績を内数として発表しています。
 
洗濯機に占める洗濯乾燥機の割合を年度累計で算出すると、台数で28.6%、金額では55.2%。
 
月や年によって変動はありますが、
直近の数年間では台数で30%前後、
金額では50~55%というところです。
 
2023年1月は洗濯機の全体金額が約321億円で、
前年同月比102.2%と3カ月ぶりのプラス。
実は、
1月の出荷金額としては過去最高額
となっているのです。
 
しかし、
出荷台数は前年同月比93.7%と低調でした。
洗濯乾燥機も台数が同93.3%、金額は同98.5%と前年割れで、ここ数ヶ月は全自洗が好調に推移しているようです。
 
ライオンが昨年の秋に行ったアンケート調査で、
家事が効率的になったと感じる家電商品の1位は洗濯機でした。
 
その理由は
洗剤・柔軟剤の自動投入機能
最近は乾燥機能のない全自洗でも搭載モデルが増えています。
 
全自洗が伸長しているのは、
このような要因もあるのかもしれません。

電子レンジとジャー炊飯器の出荷台数は前年割れで推移

次に、大型商品以外の商品動向を見てみましょう。
取り上げたのは電子レンジ、ジャー炊飯器、クリーナー。
いずれも出荷台数です。

2022年5月以降、
クリーナーの台数・金額とも増加基調で推移。
各月の伸長率は前年同月から大きく増加していることが分かります。
 
実は、
2022年4月から統計参加企業が増えているのです!
 
前年実績は増える前の数値になっているので、
対前年実績増の理由は参加企業がプラスになったためです。
 
ちなみに年度累計の出荷台数は
前年同期比120.6%ですが、出荷金額は同158.7%。
前年よりも大きく単価がアップしています。
 
前年の平均出荷単価は約19,800円でしたが、
現在の年度累計では約26,100円です。
 
電子レンジは3カ月、ジャー炊飯器は2カ月続いて前年割れ。
22年度累計では両商品とも前年割れとなっています。
 
ただし、電子レンジ、ジャー炊飯器とも
出荷金額は前年プラスとなっています。
 
電子レンジは単機能の電子レンジとオーブンレンジに大別できます。
1月の出荷台数では、全体の62.8%がオーブンレンジでした。
 
オーブンレンジの台数での伸長率は前年同月比93.8%。
このことから、
単機能の電子レンジの1月の台数は前年実績に対して
2桁減だったことが推測できます。
 
ジャー炊飯器も電子レンジと同様にマイコン式とIH式に分けられます。
 
詳細は公表されていませんが、
台数ではIH式が約7割を占めており、
1月の出荷台数は前年プラスだったとのことです。
 
電子レンジもジャー炊飯器も食材を加熱する、
米を炊くという主用途は同じでも低価格から高額まで、売価の幅が広い商品です。
 
両商品とも近年の機能トレンドでは、
スマホ連携や対応メニューの増加などがあります。
 
従来よりも多様な調理に対応し、時短や使い勝手、さらにはユーザーの好みに応じた仕上がり選べるようになっています。
 
これらのユーザーメリットをしっかりと打ち出し、
その結果得られるユーザーベネフィットをお客に理解してもらうことが市場成長のカギといえます。
 
ユーザーの視点に立ったメーカーと流通サイドの取り組みに期待したいところです。


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