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民生用電気機器の国内出荷金額は年度累計103.0%と伸長 -エアコン・冷蔵庫編-

今回は、
生活家電や調理家電、空調機器など民生用電気機器の国内出荷動向についての第2弾をお届け🤲🏻

前回の記事はコチラ↓

エアコンは出荷台数が前年割れで、出荷金額は前年プラス

大型・主要商品の動向を見てみましょう。
まずは、エアコンから。

年度始まりは3カ月連続で前年割れとなり、
6月時点での年度累計は台数・金額とも前年同期比80%台と低調でした。
 
7月以降は復調し、2023年1月は前年割れとなりましたが、2022年6~12月までの6カ月は出荷金額が前年プラスで推移しました。
 
その結果、2023年1月までの年度累計では台数が前年同期比97.0%ですが、出荷金額は同102.7%と伸長しています。
 
グラフを見ても分かるとおり、
2022年7~8月の出荷金額は前年同月2桁増でした。
 
しかし、前回掲載した家電量販店の月次売上高速報では、各社ともエアコン売上高が前年同月比80%台。7月はエアコン販売不振の月だったのです。
 
一般的に出荷と販売の関係は次のとおりです。
 
販売 → 発注 → 受注 → 出荷 → 納品 → 在庫 → 販売
 
客注の場合は在庫としての期間がなくなりますが、基本的に出荷した商品はお客が購入するまで在庫として保管されます。
 
つまり、出荷から販売まではタイムラグがあり、
販売動向によって、そのタイムラグは長くも短くもなります。
 
従って、
出荷好調=販売好調と一概には言えない
面があるのです。
 
また、販売増を見越して流通サイドが発注数を増やすケースもあります。
 
2022年6月はエアコン販売が好調でした。
そこで夏場のエアコン需要増を想定して発注し、
それが7~8月の出荷増につながったという見方もできます。
 
特にエアコンは夏の特定期間に販売が集中します。
商品を確保して在庫切れを防ぐという点からも発注数を大幅に増やした可能性もあります。
 
しかし、予想に反して7~8月の気温は低く、
天候不順もあってエアコン販売は不調に終わってしまいました。
 
2023年に入ってからも家電量販店でのエアコン販売は前年割れとなっており、3月は決算セールなどでエアコン販売に注力しています。
 
出荷額も販売価格も前年よりアップしており、
メーカーサイドも流通サイドも年度累計では前年プラスで推移しているようです。
 
やはり気になるのは台数需要
買い替えや買い増しを促進する製販の取り組みに期待したいところです。

1月の冷蔵庫の出荷金額は300億円超で1月として9年ぶりの大台に

続いて冷蔵庫です。
台数の前年同月(期)比は棒で、金額は折れ線で示しています。

冷蔵庫に占める401L以上の構成比は
年度累計で台数が約47%、
金額では75%弱となっています。
 
冷蔵庫は大容量化が進んでいるといわれています。
出荷金額では確かにそのとおりですが、
実は出荷台数で半数以上を占めているのは、
400L以下の中小型タイプなのです。
 
食材のまとめ買いや冷凍・チルド食品の利用増加で、ファミリー層では大容量タイプのニーズが高くなっています。
 
その一方で、世代を問わず単身もしくは2人の少人数世帯は増えており、この層が400L以下の需要を下支えしています。
 
2023年1月の冷蔵庫出荷は
台数が約23万台で前年同月比96.5%、
金額は約308億円で同105.8%となりました。
 
1月の出荷金額が300億円を超えたのは、
2014年1月から実に9年ぶりです。
 
2014年は
4月に消費税が5%から8%に変わった年で、
2013年11月から増税前の駆け込み需要によって
出荷台数・金額も急増しました。
 
300億円超えは、いわば特殊要因があった需要増以来なので、この1月の出荷状況がいかに好調だったかが分かります。

では、
洗濯機の出荷実績はどうだったのでしょうか。

と言いたいところですが、
長くなる未来が見えているので、今回はここまで😉

次回予告👇🏻

●1月の洗濯機の出荷金額は過去最高の約321億円
●電子レンジとジャー炊飯器の出荷台数は前年割れで推移

 
こんな感じっ。



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